暗譜について

前に書きましたが、合唱祭は暗譜と指揮者から命じられましたね。Wikipedia では暗譜についてこう書かれています。
基本的には楽譜表記を覚えることにあるが、単純に丸暗記という手段では暗譜能力の向上は望めない。楽譜を理解する能力、つまりソルフェージュ能力が必要であり、ソルフェージュ能力に長ける者はそれだけ暗譜スピードも速い。つまり耳を使う(聴力ではない)ことが第一である。そのため、目で見て覚えられるということは少ない。
最初から楽譜を理解する能力を持っている人はなかなかいないと思います。練習のメモを読み返したり、他のパートの歌い方を聴いたりすることで、曲全体のなかで、なんでここはこう歌うのか、情景を自分なりに理解することが重要だと思います。
これまでの自分の経験と、今回いろいろ調べてみた結果から、暗譜の長所・短所について書いてみます。
暗譜の長所
楽譜という『目に見えるもの』を頼りに音を出すことができなくなります。楽譜って目に見えるんですが、絶対音感の持ち主でなければ、楽譜通りの音を出せません。相対音感はそこまで難しくないんですが、楽譜を見ていると周りの音をなかなか意識できないんですよね。
だから暗譜をして、これまで以上に自分の出している音や、周囲の音に対して注意を払うようになることは音程の安定に繋がります。あと、指揮者を見るようになるので、リズムも安定するようになります。
暗譜の短所
日ごろの練習で楽譜に書き込んでいることが読めなくなってしまいます。楽譜に書き込んでいることって、歌ううえでのノウハウがほとんどですよね。学術的には以下のように定義されるそうです。
宣言的記憶
楽譜でいう音符や音の強弱。言葉で表現できる記憶。伝えやすい。
手続き記憶
いわゆる技能やノウハウ。伝えにくいが、意識しなくとも使うことができる。
例えば、初めて車とか自転車を運転するときってものすごく難しいですが、何度も運転を繰り返すうちに、ほとんど無意識に運転できるようになりますよね。同じように、楽譜に書き込んだ発声や表現方法などのノウハウは、正しい歌い方を意識して繰り返すことによって、そのうち無意識にできるようになります。ところが、それを習得しないまま暗譜をしてしまうと、自己流の歌い方になってしまい、せっかく練習でつかんだ歌い方がふいになってしまいます。
ひょっとすると、暗譜で歌うということが合唱祭の目標みたいに思えてしまうかもしれません。ですが、自分にとって暗譜は、なるべく早い段階で「きちんと楽譜を理解する」「正しい歌い方を身につける」きっかけとなる、有効な手段だと感じています。

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